世に優秀な人材を輩出するために設けられた、全寮制の私塾である。
塾生は徹底したスパルタ教育と、鉄の規律の元に毎日を過ごす。
「大切なことは、あらかたファミコンから教わった」という考えのもと、ファミコンを頂点とした生活を送り、ファミコンよりも優先する趣味を持った者は懲罰を受ける・・・ゆとり教育そっちのけの漢(おとこ)の学校である。
(ちなみに、ファミコン塾に性別の区分けはない。塾生はすべて漢で統一される)
さらに塾長ともなれば、ファミコンにすべてを捧げた、上杉謙信なみのストイックファミコン野郎なのだ! たぶん。
◆今回の登場人物
・塾長・・・ファミコン塾の代表。いまだに一番の趣味はファミコンと言い張る、辞め時を失ったファミコン戦士。
こないだ、小学校の同級生が子供を連れて歩いていた。
・塾生(剣 ファミ太郎/つるぎ・ふぁみたろう)・・・ファミコン塾一号生。
新入生らしい若さで、一途にファミコンを愛する漢。
−塾長室にて−
塾長「ふむう、インターネットとは素晴らしいのう・・・しかもこのページもまた・・・それにしても、当時からネットがあれば、鬼沢君(塾長の友人。仮名)のウソテク情報に騙されることもなかったろうに・・・」
ファミ太郎「押忍! 塾長、『あめふるしんかいち』合唱100回、終了いたしました!」
塾長「のぁ! ファミ太郎、いつからそこにおったっ!」
ファ「いま来たところです! ところで塾長、何をご覧になっているのですか!?」
塾長「いや、まあ、情報収集だ。お前もインターネットくらいは見るだろう」
ファ「はい! まあ自分は任天堂ホームページと『スペランカー先生』くらいしかチェックしませんが」
塾長「む、そうか。ファミコン塾生としては理想的だのう」
ファ「光栄です。で、塾長はどこを閲覧されていたのですか?」
塾長「む・・・いやなに、たまには普段見ないページをな、うむ」
ファ「(覗き込む)どれどれ、ほぅ、極上・・・生徒会・・・? フッ(薄ら笑い)、プレステ2の「ぎゃるげー」というやつですな。まったく、ファミコンという現役ハードがあるのに・・・。
こんなものを本気で見ていたら、当塾では放校処分か、制裁ですな!」
塾長「えっ、そうなの?」
ファ「ご自分で決めた塾規ではありませんか。
しかし、塾長のようなお方がこのページをご覧になるということは、敵情視察として調査されていたわけですな! いつか、こういったゲームのファンも入塾するように、と!」
塾長「・・・お、おお! そうだ、そのとおりだよファミ太郎!」
ファ「どれどれ、では私も見てみましょう・・・キャラクター紹介、と。大勢いますなあ。では適当に・・・こいつでいいか。角元れいん(つのもと・れいん)

・・・武器はトランプカード。プッ・・・武器がカード?
なんですかそりゃ。だいたい何と戦うのですかこの婦女子どもは! ハハハハハ」
塾長「そ、そうだな・・・・・・ハハ」
ファ「ええと、じゃあ隣のこいつも。飛田小百合(ひだ・さゆり)

・・・『「飛田活生流」の後継者で、学園内で唯一木刀の携帯を許されている』・・・フハハ! 木刀所持の婦女子って、レディースっちゅうやつですか? だからこいつらは何と戦うんですかって! ねえ塾ちょ・・・」
ゴッ。
ドス。
塾長「よりにもよって、れいちゃん先輩と小百合を馬鹿にするなぁぁぁ!」
ファ「うぅ・・・左フックから右ミドルですか・・・あの、塾長・・・鉄拳には慣れておりますが、失礼ながら、いま殴られた理由がわからないのですが」
塾長「・・・・・・訓練である、訓練。あれくらいの不意打ち、避けられんでどうする」
ファ「そうだったのですか(納得)。しかし、何か愛称のようなものも叫んでおられたような・・・」
塾長「気のせいだな。強く殴りすぎたか?」
ファ「いえ、ご心配には及びません。では、敵情視察に戻ります」
塾長「おい、もう・・・」
ファ「(聞いてない)ではさらに隣のキャラクター。桂聖奈(かつら・せいな)

・・・
『隠密部所属』ブハッ(笑い)。だからこいつらは何と戦っているのですか!
それに、私はぎゃるげーに詳しくはありませんが、このゲーム全体的に絵が地味ですなあ。とりわけこの桂とやらは、インパクトが足りんのでは? ハハッ・・・」
ゴシャッ(湿った音)
塾長「聖奈さんを、聖奈さんだけは馬鹿にするなぁぁぁぁおぁぁぁ!
自殺願望でもあるのか小僧ぉぉぉぁ!!
それからなあ、地味だからいいんだよ!
『萌え』とやらが好きな人間にはソレ向きのゲームがある! そっちに行けばいい!
ワシはそっちにはあまり興味はない! 極上は萌えとかそういうのじゃねえんだ! なぜかコレだけは・・・・・・む、ファミ太郎、気を失ったか・・・」
(数十分後)
ファ「う・・・うーん・・・」
塾長「起きたか、ファミ太郎」
ファ「はい・・・さすがにつけもの石で殴られたのは初めてだったので、意識を失いました。
夢では、ないようですね・・・。頭から赤いものがとめどなく流れていますので。
・・・殴られた理由をお聞かせ願えますか? 何か叫んでおられたようですが、覚えておりません。」
塾長「(窓の外を見ながら)ファミ太郎よ。とどのつまりファミコンとは、プレステ2とはなんだ」
ファ「えっ・・・? はい、ゲーム機であります」
塾長「そうだ。現在はプレステだのXboxだのが普及しているが、あれらも同じゲーム機。そして、今のコンシューマー機はすべてファミコンから生まれているのだ。いわば彼らはファミコンの子供たち!
ファミコンを愛してやまない我々が、その子供を嘲笑していいものだろうか?
それで本当に、ファミコンを愛していると言えるのか!!!?」
ファ「!・・・塾長ォ・・・!! 塾長が、そんな広いお考えをお持ちだったとは・・・自分は、狭い考えでファミコンとそれ以外を区別しておりました・・・」
塾長「わかればよいのだ、わかれば」
ファ「塾長は大きな心で、あのようなゲームを許してやっていたのですね!」
塾長「・・・う、うむ」
ファ「まあそれにしても、あのゲームは私のような堅物には受け付けませんが・・・」
塾長「・・・今日はもうしゃべらないほうがいいぞ。もういい。部屋に帰って休め」
ファ「はっ! 失礼いたします!」
バタン。
塾長「・・・・・・ファミコンひとすじのこの人生・・・・・・ワシはこれからどうすれば・・・」
謎(バレバレ)の苦悩を抱え、嘆息する塾長。
一途なファミ太郎との関係は?
ファミコン塾は今後、まとまって行けるのだろうか?(続くかどうかわかりません)
※今回のファミコン塾は、特定の人物・団体とは関係がありません。
特に塾長の嗜好は、特定のマスク1号とは関係ありません。
ありません。



