部屋を片付けていたら、以前中古で購入したまま放置していた「ダブルドラゴン アドバンス」が出てきました。
いまは亡きテクノスジャパンの名作格闘アクション「ダブルドラゴン」をゲームボーイで復活させたこの作品。アーケード版の1作目だけではなく「ダブルドラゴンU」などの風味が加味されているようです。
ダブルドラゴンシリーズは、TからVまで大好きな僕。さっそくプレイ(買ったときは放置してたのですが)。
お、まずはザコが恋人のマリアンをさらっていく・・・ダブルドラゴンお決まりのシーンですね。
すると、背景にあった車のガレージが開き、主人公「ビリー」登場。
「影の伝説」ばりに「おまえ、いま救えたじゃん」と言いたくなるシーンですが、ぐっとこらえましょう。
さあ、戦闘開始。おお、出てきた出てきたザコどもが。では、このビリー様の双截拳(そうせつけん)の味を・・・(バキッ)・・・へっ、なかなかやるじゃねえか・・・ではキックを・・・(ガスッ)・・・油断しちゃったぜ・・・あっ、おい、こら、羽交い絞めにするな、放せ・・・。
ビリー「・・・・・・はい、すびばせんでした・・・いえ、もう持ってないです。小銭もさっきので全部・・・。残りは明日持ってきますから・・・あっ、家に来るのは勘弁してください。親がいるんで・・・(正座しながら)」
・・・えーとですね、敵のほうが自機であるビリーやジミーより基本性能が高い気がします。少なくとも五分と五分。
勝てないわけではないのですが、本作に盛り込まれた派手なアクションを駆使しようとすると、必ずやられます。ひととおり避けるか、反撃してくるんですもの。
必然的に、アッパーなど隙の少ない業を連発することになります。せっかくの多彩なアクションが使えないとは、もったいないですな。
そして今作の、いままでのシリーズになかった重要な点は、武器の強さ。
ゲーム中には鎖やムチ、バット、ヌンチャク、短棒などの武器が登場するのですが、これが強い。というか、ビリーの動きがとたんによくなります。
ザコよりもモタモタしたパンチを出していたビリー君はどこへやら、素早い動きと長いリーチで敵を圧倒します。
なので、敵に殴られて武器を落としたり無くしたりすると「しまった! 素手になってしまった!」と、武器を求めてあがくことになります。
ダブルドラゴンというより、「闘いの挽歌(カプコン)」に近いです。もはや格闘ゲームのノリじゃありません。
でもまあ、ある意味リアルですよね。だいたい、素手で大勢の敵と戦うなんて、正気の沙汰じゃありません(えーっ)。ビリー、そんなに強くないんですから。無理しちゃいけません。
敵の中ボス「スティーブ」が使うマーシャルアーツ式の蹴りなんて、ビリーの10倍くらい速いですし(本当)。双截拳なんかより、スティーブと同じやつを学べばよかったのになあ。
そもそも、彼らが使う拳法、双截拳とはなんなのでしょう。マニュアルにはこうあります。
「双截拳とは、少林拳、太極拳、詠春拳、空手、柔術、ボクシング、テコンドー、ムエタイなどあらゆる格闘技の長所を集め、進化させた最強、最高の武術である」
ああ、中学生くらいのときに考えますよね、「あらゆる格闘技をあわせれば強いじゃん!」って。
しかも、双截拳ってずいぶん歴史があるようなことを言っていたけど、テコンドーを合わせているとか言ってます。テコンドーってたしか5〜60年前にできたスポーツで、創始者は存命とか聞きましたが。
つまりは、主人公であるビリー・ジミー兄弟が、昨日今日に思いついた格闘技なんじゃないでしょうか、双截拳。そう考えれば、ザコにボコボコにされるのもうなずけます。
「僕の考えた拳法」とか言い出さないで、まずは普通に体を鍛えようね、ダブルドラゴン。
でもまじめな話、アクションが多彩で、いままでのダブルドラゴンシリーズの集大成というべきデキに仕上がっています。
「ザコどもを次々にやっつける」という爽快感を味わうには慣れが必要ですが、ほどよくアーケードゲーム感覚が味わえるでしょう。
ゲームボーイアドバンス作品ということで知名度が低いかもしれませんが、おすすめです。